自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

海外永住者の帰省状況

アメリカに永住している私にとって、日本にいる親の存在はいつも気にかかる。高齢であるからなおさらだ。私の場合、だいたい1年に1回を目安に、日本かアメリカで互いに会うようにしている。他の人はどれくらいの頻度で会っているのか、知り合いに聞いてみた。
近所に住むアメリカ永住のある日本人女性は、3年に1回と決めていると言い、帰るのは家族全員ではなくたいてい一人らしい。別の日本人女性は5年以上帰っていないと言う。別の人は、電話は時々するが、日本から親を呼寄せたことは、移住後15年以上経っても1度もないと言う。どちらの人も旅費が高くつくからだと言う。
日本に永住するアメリカ人男性は、アメリカに帰省は結婚後10年以上経っても単身での1回のみで、親が日本に会いに行った事は一度もないと言う。
なお周りにいる日本からの駐在員は、日本出張を除き、ほとんど日本に帰らず、呼寄せもせず、親と会わない人が大半だ。忙しいし、いずれ日本に帰るから必要ない、と言う人が多く、もしそういう時間があれば日本以外の、駐在場所から近いどこかへ旅行している、と言う。
どうも私の周りの永住者は、親と会う機会は大変少ない人が多い。子供がいなかったり、移住後すぐの場合、帰省は新鮮味もあり楽しいかもしれないが、子供が大きくなれば飛行機代はかなりかさむ。自分が仕事をしていれば、単身で日本へ里帰りしても何週間も日本にはなかなか滞在できない環境になりかねない。日本の親が永住先に来れないのであれば、移住後親と会う頻度は減っていくものだろうか。
あるサイトでは、日本に帰省、里帰りする海外永住の日本人はおよそ4割程度だと言う。そうすれば、私が母と年に1度会うようにしているのは、かなり稀なほうなのだろうか。ハワイや中国、韓国に住むのと違い、ニューヨークへは金も時間も結構かかる。だが母は80歳を越えても単身でアメリカに会いに来てくれる。父を亡くしより寂しいのだろうか、遠くても息子家族に会いに行くのは毎年の楽しみになっているようで、特に観光地に行くわけでもなく、子供と孫に囲まれた生活が幸せなのだ、と言ってくれる。
つまり海外永住者の多くは、帰省したいもしくは親と会いたいと思っていても、金銭面や仕事の都合、子供がいるなどの家庭状況で、なかなか親と会っていない状況のようだ。国際結婚し海外永住する人のある種宿命のようにも取れなくもなく、なんとなく寂しい気がする。中には永住先年数が日本で暮らした年数を上回り、ここが自分の故郷、と発想を変える人もいるようだ。