自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカでボランティア活動をして感じたこと その1

アメリカではボランティアが盛んだ。これはアメリカ生活での大きな特徴の一つで、私自身かなり評価している。他人の身になって共感し、無償で、時に定期的に手伝う、という行為は、恩恵を受ける受け手だけでなく送り手の方も気持ちがいい。地域に貢献しているという充実感、世代を超えて助けあい繋がっているという連帯感、また自分が求められているという存在意義の感覚は、なかなかいい。
そしてアメリカでは子供が小さいうちから、様々なイベントなどでボランティア活動の機会に触れやすい。堅苦しくなく、人々と助け合うのはよいことだ、という価値観が育まれていく。アメリカの高校生が、アイビーリーグに行きたい場合でも、その勉強したい分野に関連するボランティアをどれだけやったか、また充実した奉仕活動をしたか、というのはある程度判断基準にされると言われる。
ボランティアとして助け合う、という社会貢献活動の土壌が浸透しているので、自分で一から作り始めなくても、また自分の住む地域でもボランティアを募集しているグループや団体、NPOなどを簡単に見つけられる。
金がない時や、仕事や育児などで忙しい場合、ボランティアなどしている所ではない、と考えるのではなくて、仕事をして賃金を貰う経済的インセンティブつまり労働時間とは別に、他者や社会のために何かを貢献したみたいという社会的、道徳的インセンティブを確保することも、生活を本当に豊かにする上で必要であるという考え方である。まず他人に与える行為が回りまわって自分の幸せにも繋がる、というようなイメージで、それは多くの人の格言や宗教の書物等にしばしば登場もする。
年を取るたび今の自分に何が出来るか、と考えた時、地域への奉仕活動が今までなおざりになっていたような気がした。自分のことばかりで、自分のための金儲けや自分の家族のために使う時間、と言うように、地域への貢献活動という意識の優先順位は相当低かった。私は億万長者ではないし、仕事のほか用事ややりたい事はいろいろある。だが何か地域のために無償でボランティア活動するのは、決してマイナスではない。相手だけでなく、こちらにも学ぶことがあると思った。そして何のボランティア活動をし始めたかは、次回に続く。