自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

黒人弁

日本語に関西弁、東北弁などがあるように、アメリカでもテキサス英語、南部なまり、ボストン英語等があると言われるが、それに追加で私がしばしば思うのは、黒人の使う英語もそれらによく似た独特の発音がある。
個人的に黒人の英語は、ラップを歌うかのようによりリズミカルで、より簡単に楽に言おうとするような印象がある。例えばYou are not-.をYou ain't-.と言ったり、Tell themをTell 'emと言ったり、How are you doing?をHow you doin'? と言う等、省略したり簡略したり、スラングをよく用いたりする。それは白人が話す英語よりも多い気がする。そのため日本で習った学校英語ではほとんど出てこず、英語であるけれども初めて聞く独特の言い回しに、何を言っているのか理解するのが難しい時がある。別に彼らが特別難しい内容を言っているからではなく、慣れていない(経験不足)からによるところが大きい。
それはアメリカに住んで結構経つ今でもそうで、時々聞きなおす時すらある。私自身、黒人の友人や仕事の同僚が少ないので、聞いて対応する機会がそれほどないからかもしれないが、自分の中で英語とは、ほぼ全てが白人である妻や親族、近所や仕事の同僚たちが使ういわゆる白人英語であって、それらは頭の中でスムーズに処理できるが、いわゆる黒人英語は頭の中でまるで別言語のように処理され、端々で出てくる意味不明な発音や言葉は、処理不能として別途労力がいる意味補完作業をするか、聞きなおす必要が出てくる。頭の中ではそんなイメージである。職場にはインド人もいくらかいるが、彼らの英語もよく似た印象で、理解に時間がかかる。
逆を言えば、私の日本語混じりの英語も、アメリカ人からすれば聞き取りにくい英語だと思われていることだろう。ペラペラと言う域に達するには、さらにあらゆるタイプの英語を聞くという場数を踏むしかないのかもな、とふと思うのであった。