自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

これは英語でこう言う、ベストな言い回しを覚える方法

この状況では英語でこう言う、というようなベストな言い回しを使いこなす、というのは、アメリカで長い間住んでいても未だ完璧ではない気がする。それが使用頻度がやや落ちるものではなおさらだ。例えば、「その塩取って」、と言うにはPass that salt please.とスッと出てくる。たとえ「取って」と日本語で言うからと直訳でTakeやGrabは用いない。頻繁にその言い回しを周りのアメリカ人が使うので、覚える機会が豊富にあったからだと思う。
一方でそれほど頻度が多くない表現は、そうそうスッとベストな表現が出てこない。例えば「靴の泥を落として」だと、Wipe your shoes offだが、周りのアメリカ人がそう言っているのを聞く機会がなかったり、全く知らなかったりすると、日本語の直訳や、自分の英語レベルを駆使し今までの経験に基づき、推測的”新”英語表現(合っているか分からないが多分こういうかも知れぬという自作の英語)で言うことになる。
靴の泥を落とす、と日本語で言うのでDrop the dirtとか、Fall the dirtとか、Delete the dirtとか、ベストの表現を知らないためにかなり苦し紛れの表現で言う場合が多々発生する。それで聞き手が分かってくれれば、とりあえずは合格点であるが、教師のような、こちらの意図を汲んで相当な内容補完作業が瞬時に行える人でない限り、ベストな表現以外では意味はなかなか通じない。
そこで身振り手振りのジェスチャーや、連想ゲームのように単語のみや別の言い回しで何とか伝え、外堀を埋めるような手間をかけてようやく「Oh, you want me to wipe my shoes off!」と分かってくれることも多い。そうして手間暇かけ、また多少の緊張とストレスを感じて掴んだベストな表現は、熱い鉄で頭に刻印されるかのように以降も自分の言葉の範疇に仲間入りする。その刻印の強さは英語本を眺めているだけとは比べ物にならない。私は毎日その積み重ねで、1つまた1つと今でも英語を勉強中である。