自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカの映画館で映画を楽しむ方法

特に昔アメリカで永住し始めた当初は、自分の英語力の低さのためにいろいろと苦労した。例えば日本だと映画館に行っても、洋画では日本語字幕や日本語吹き替えがあり、気軽に楽しめたが、アメリカではそうは行かなかった。
日本では邦画に日本語字幕などない様に、アメリカでアメリカ映画を見ても英語字幕はない。勉強するつもりで映画館に臨んでも、2時間も集中力が続かず、内容について行けず不愉快な思いをしたことが当初はあった。
それからかなりの時が経ち、昔ほどではないものの、洋画を字幕なしで会話内容を100%理解することができるかと言えば、今でもそうとは言えない。
そんな時、聴覚身障者用に特別なメガネをかけて映画鑑賞できるよう無料貸し出しをしている映画館があるのを知った。それは、工場などで目を守るためにつけるようなメガネに似ていて、ややグラスが大きい。そしてグラスのやや下部に、英語字幕がその映画とシンクロしてリアルタイムに表示される。少し顔を動かし、映画のスクリーンの最下部に、メガネに表示される字幕が合う様にすれば、洋画の英語字幕による鑑賞が快適にできる。ワイヤレスであり、映画が始まれば自動で字幕が現れる。設定などは何もしなくていい。
初めてそのめがねを使用した際、それは感動的であった。映画の所々で「ん?」と聞き取れなかった場合でも、字幕で意味を拾える。おかげでほぼ100%意味内容を掴める事ができた。面白い会話のシーンでは、周りの客と同じタイミングで笑えるし、字幕から細かなニュアンスなども拾え、巻き戻せたらいいのに、等と思う不愉快な瞬間が激減した。
アメリカの映画館でチケットを買う際に、聴覚身障者用のメガネを貸して欲しいと一言言えば、別紙に自分の名前と住所の記入と引き換えにすぐ貸してくれる。健常者でも借りられる。
どの映画館でも提供している訳ではないが、アメリカに来て字幕なしで映画を観る自信がない人にとっては、大いに助けてくれるデバイスになるかと思う。