自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカ人の親切心

アメリカに住んでいると、赤の他人による暖かさ、親切心に触れることがしばしばある。それは日本でももちろんあるが、私がアメリカでの普段の生活で実際受けたもの、見たものをいくつか挙げてみる。
店や建物のドアを、後ろから来る人のために持って待っていてくれる。椅子に座る際や、車に乗る際、女性を先に誘導する。知らない人でも目が合えばHelloやHiなど挨拶したり、にこっと笑う。待合室などいろいろな場所で知らない人と居合わせた際、気軽に話し、世間話をする。高齢者や妊婦、幼児などがいれば、率先して席を譲る(それがバスならば譲るのを運転手が確認するまで発車しない)。赤ちゃんや幼児連れの際、周りの人から可愛いね、何ヶ月?などと気軽に話しかけられる。またお店の場合、店員が無料でお菓子やグッズなどを懇意で子供にあげる。両手がふさがっている時、言わなくてもドアを開けてくれたり物を取ってくれたりする。車椅子の人が坂道を登る際や階段を上る際、すぐ助けてくれる。倒れていたり助けが必要な人がいれば、すぐ助ける。店で欲しいものが品切れの場合、店員が他の店で売っているかもしれないとそこへの行き方を教えてくれる。店の中で他の客から、使わないからとクーポンをもらう。信号のない横断歩道を渡る際、すぐ車が止まり道を譲ってくれる。
以上はぱっと思い出したものだが、この他にもまだまだある。意地の悪いアメリカ人もいるけれども、特徴的なのは、これら親切心は日常茶飯事であり、ほとんどの人が当たり前の事として、自然に行ってくれる点だ。初めてアメリカに来た日本人は、思いもかけないアメリカ人の親切心だけでなく、それをさらっと自然にしてくれたことに感心するかもしれない(日本で同じ状況で同じ親切をほとんど受けた事がないならば、感動するかもしれない)。日本人もほとんどが優しい心を持っているが、他人の目を気にしてか、気持ちに余裕を持てない生活を送っているせいなのか、上記の事をするには恥ずかしがるか面倒臭がる人もいるかもしれない。
そして他人からこういう親切を受けた際は、Thank you.とお礼を言うが、親切をしてくれた人もYou're (very)welcome. Not at all. No big deal. Anytime. My pleasure.などとさらっと返答する。恥ずかしけど勇気を出して親切にした、というのではなく、皆が皆親切にし、親切にされ助け合うというのが、地域社会で日本よりももっと浸透している気がする。そんなところで住んでいるとこちらも感化され、そういう親切が自然にでき、習慣化する。そして何より、互いに大変気持ちがいい。