自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

日本人の英語とアメリカ人の英語

英語がペラペラでない日本人の英語と、アメリカ人のネイティブ英語について、大きく異なる点がいくつかある。
まず、前置詞の使い方に違いがあるように思う。アメリカ人は、Over, Up, Down, In, Out, With, For, Throughなどの前置詞の使い方が上手で、よく多用する。あまり難しい単語を使用するよりは、Getなどの動詞とともにこれら前置詞を用いて簡単に表現する。Get over it(辛い事があっても乗り越えていこう、しっかりしなよ)、Let's get out(もう出よう)、またUp to you(あなた次第)、It's over/I'm through(もう終わり)、I'm in(参加するわ)、The charges I pay for(払うべき代金)などと様々な場面で多用する。
学生の頃、個人塾の英語の先生が、英語がうまくなりたければ前置詞の意味をよく理解して使いこなしなさい、と言われたのを思い出す。前置詞を加えると、意味内容をよりイメージ化でき、細かなニュアンスが加わり意図が掴みやすくなることも多い。
次に、多くの日本人による英語で特徴的なのが、日本語でまず考えて、それを正直そのまま英作してみたような、やや堅苦しい英語の場合がある。例えば、「ご不明な点がありましたら、ご遠慮なくお申し付けください」、と言いたかったと思うが、If you have any unclear point, please feel free to contact.と言う。しかしそんな言い方はしないので、一瞬違和感を感じる(If you have any question, please feel free to ask.等のほうが一般的)。
また、日本人の英語ではしばしば主語が長い。日本語と違い、英語で主語(主節)が非常に長いのはあまり良い文ではなく、読んでいると違和感を感じる。例えば「日本からアメリカへその製品の送料は 100ドルです」と言いたいと思うが、The price that you were asking us about the product to send it from Japan to USA is 100$. などと主語が非常に長い。言いたい$100を先に言うようにIt's $100 to send the product you asked about from Japan to US.などとすると読みやすい。
もう一つ例を出すと、I think it is not right.等と言う日本人がいるが、それを言うならI don't think it's right.のほうがしっくり来る。否定文を言ってその後肯定文を言うケースが一般的だからだ。
こういう「ん?」と思ってしまう、意味は汲み取れるが日本語を直訳しただけのために起こる英語らしくない英語を目にする瞬間があるが、それはアメリカ人の日本語が、意味は分かるが時々どことなく変に聞こえるのと同じようなものかと思う。こういう場面や内容には、こんな英語で言う、というような一般的な言い方、決まり文句というのは、日本語でもどの言語でもある。そんな生きた英語を習得し、より自然な英語にするには英語圏に住み、都度吸収しながら会得するのが一番だが、その経験がないなら上記のような事は当然起こるものだし私も苦労したので、相手の真意が分かれば良しとしている。