自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカで英語を話す 3 (アメリカでの英語勉強法)

前回の続き。渡米後すらすらと英語が話せないから、完璧な一文で言おうとせず、単語のみを言ったり、主語動詞の順でなく、日本語の順のようにまず場所や時間など副詞句、副詞節を先に言い、最後に主語動詞を言ったり、頭に浮かんだことをぶつ切りでバババッと言ったりもした。基本的に英語力のせいで会話を止めたりしないようにした。質問に対する回答がそれでもすぐで出ない場合は、相手の質問をオウム返ししたり、Ah--と言いつづけたりして時間を稼いだり。まるで口から出まかせで言うパターンだから、三人称単数、動詞の現在過去形などお構いなしで、文中でまた一文が始まったりなどは当たり前であった。とにかく目と耳で相手の単語、意味、意図、発音などその全てを吸収し、自分の語彙に増やしながら、無茶苦茶でもこちらの意図を伝えようと、いい格好などせず、分かった振りもせず、生きていくためにそれはもう、やけくその必死状態だった。
また、後々分からなくならないように、会話で分からない言葉などがあれば、 You mean ~?とすぐ聞き返したり、会話をさえぎってでも意味を確認したり、その場で出来る限り理解するようにした。携帯の電子辞書で確認したこともあるし、妻にもよく聞いたりした。むやむやにしておくと後でまた困るだけでなく、何が分からなかったのか自体忘れてしまうからだった。
妻がアメリカ人であったのは、大変心強かった。妻には何万回と質問しただろうか。妻が日本で英語教師であったこと、またアメリカで私が住むには英語をもっと覚えてもらうのは必要と本質的に感じていたのか、嫌がらずよく答えてくれた。今の英語レベルに達するに妻の助けは大変大きかった。
こうして渡米後すぐに、大学まで英語を勉強した自信やおごりなどは捨て、恥ずかしさも思い切ってかなぐり捨てた。日本で長年学んだ英語の大半が無駄のように感じ絶望感に似た気持ちもあったが、生きていくため一から仕切り直しするような覚悟を持った。また見よう見まねで話すたびに相手の言葉を自分のものにしていくのは、まるでものまね師のようなスタンスだったと思う。そのスタンスは基本的に今も変わらない。
少しでも早く英語が上達するようにと、英語上達法関連の本や教材を取り寄せたり、アメリカの英語学校に通ったことも一時あったが、やはり最もためになった最善の英語勉強法は、アメリカ人と会話をし続けることであった。これに尽きた。近道というよりは、むしろそれは王道であった。日本語で考える暇がないほどに、多くのネイティブ達と四六時中話すことが最も早く、確実に上達する方法であった。その後どうなったかは次回に続く。
英語の発音