自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

海外永住者と日本食

海外に永住していると、どうしても不便に感じるのは、食事である。日本にいたのと完全に同じような食事を取ることはできないからだ。特に私のような、アメリカのど田舎に住んでいるとそれは痛感する。
何日かの海外旅行をすると、最初は現地の食事に舌鼓みするかもしれないが、旅行の後半になると日本食が食べたくなるものだ。永住者の私の場合、そんな状態がずっと続いている感じだ。
都市部にある日系スーパーに出かけたり、インターネットの通販で日本から海外発送する手もあるが、割高で費用もかさみ、食事という毎日の行為であるから、そればかりもしていられない。
どこに住もうと100%満足いく場所などないかもしれないが、食事面以外の事、例えば自然が豊富、人々の精神的つながりが深い、あくせくせずのんびりしている、物価が安い、他人の目を気にして生活する必要がない、より自由気楽、個人の権利をより尊重する、子供にとっての環境がよりよい、などなど、総合的に見てアメリカに住むほうが自分と家族にとってメリットが多いと決断して今に至るわけで、永住している以上食事面で満足度が低い、といつまでもブーブー言っていられない。
ないならないで工夫するようになり、自分で餃子を作ったり、醤油の効いたおかきやあられを作ったり、うどんを小麦粉から作ったり、ラーメンを一から自分で作るなどするようになった。面倒くさがりの私にとっては大きな進歩である。そしてそこまでしてアメリカに永住するメリットが私の家族にはあるからだ。
また慣れとはすごいもので、日本時代食事などほとんど作ったことがないような私が作る日本食は、自分でも満足いく味で、日系スーパーで買うよりも美味しく感じ、かつ作る面倒くささを感じることが減ってきた。正直不便であるが、不幸では決してない。不便も工夫と考え方次第でどうにでもなる。今ではどうすればより安く早くうまい日本食を作れるか、普段から意識している私がいるほどだ。