自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカに住んでいて恋しくなる日本のもの(2)

アメリカに住んでいて恋しくなる日本のものとして、まずラーメンについて書いたが、2つ目は温泉である。
日本にいた頃は、他の多くの日本の人々と同じく、よく温泉に行った。家の近くのスーパー銭湯なる大衆向け温泉だけでなく、白浜、城崎、湯布院、別府温泉などへ家族や友人と訪れたのが懐かしい。アメリカでは温泉は皆無である。アメリカ西部の山脈地帯では、温泉が湧く所があるだろうが、東部のNYではまずない。行きたくてもないのだから、私のような在留邦人には非常につらいものがある。
また物理的以外にアメリカで温泉が普及しない理由であるが、赤の他人と裸で同じ空間にいる事、同じ湯船に入ると言う事は彼らの価値観にない。思えば、他人の目を過剰なほど気にする日本人が、他人の前で裸で風呂に入るという習慣を持っているのは興味深い。
それに、普段から彼らの多くは家で湯船に浸からずシャワーだけで終わる。家によっては、バスタブがなく電話ボックスのようなシャワールームだけの所もあるくらいで、アメリカ人の私の妻も湯船に浸からない。のぼせるから嫌だなどといい、家で妻が湯船に浸かった事は1度もない。
アメリカのホテルにはジャグジーが時々あるが、やはり水着着用は絶対であるし、天然温泉でなくとも大衆浴場なるものもない。
アメリカでも温泉が普及してほしいと心から思うが、そのような理由で普及は見込めず、今日も日本から輸入したバスクリンのバスタブ内で目を閉じ、雰囲気を味わっているのである。
COR