アメリカ生活 ここが違う!

自然に囲まれたNY北部に住む日本人が、現地の習慣や価値観等、日本とのあらゆる違いを紹介します。アメリカ留学、移住、旅行等、アメリカに興味のある人向けです。

アメリカ永住権と日本の国民年金

私はその道の専門家ではないけども、アメリカ永住権と日本の国民年金について思う所を書いてみます。
日本に住む母が、私が住むアメリカでの家、家族、環境などを大変気に入り、自分も何とかアメリカに永住できないものか、と私に相談してきた事があった。私としては別に構わなかったが、そのために思いついた最も手っ取り早い方法は、私が永住者からアメリカ市民権に変える、というものだった。
だが弁護士や領事館などにいろいろ相談したところ、晴れて私がアメリカ市民になった後、母が永住権を取るために私が母のスポンサーとなるには、手続きが複雑であるほか一定の財産が必要であるなど、いろいろと規定がある事が分かった。
なかでも悩ましかったのは、私が日本国籍を喪失すると、日本の国民年金を任意加入として以降納めることが出来なくなり、老後受け取れる金額が減る、ということであった。
現時点でどれだけ日本の年金を納めたかによるし、日米社会保障協定である程度の救済処置はあるが、日米の年金共最大値の支給を考えている私にとってそれはやや痛かった。
また母は高齢であり、なにかと病院によく通う。そのための保険代、診察代薬代、大きな病気や入院にかかる可能性は高いので、それをどう工面するか、というのも頭を悩ませた。それ以前に、社交的な人ではあるものの英語が全く話せないので、ほぼ私の家族のみ、という限られた環境でのアメリカ生活もいずれストレスになるのではないか、と察することが出来た。
私自身、日本の年金もアメリカの年金や401k等とともに老後収入の1つに位置づけている点、もしアメリカ国内で戦争になれば私と家族が日本に簡単に帰れる点などを希望していることもあり、母には大変申し訳ないが、私がアメリカ市民権を取ることはやめにした。その代わりに毎年日本又はアメリカで会うことにしている。人により様々であると思うが、そういう訳で私は永住者でアメリカ市民ではない。今後もそうすると思う。

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海外永住者の帰省状況

アメリカに永住している私にとって、日本にいる親の存在はいつも気にかかる。高齢であるからなおさらだ。私の場合、だいたい1年に1回を目安に、日本かアメリカで互いに会うようにしている。他の人はどれくらいの頻度で会っているのか、知り合いに聞いてみた。
近所に住むアメリカ永住のある日本人女性は、3年に1回と決めていると言い、帰るのは家族全員ではなくたいてい一人らしい。別の日本人女性は5年以上帰っていないと言う。別の人は、電話は時々するが、日本から親を呼寄せたことは、移住後15年以上経っても1度もないと言う。どちらの人も旅費が高くつくからだと言う。
日本に永住するアメリカ人男性は、アメリカに帰省は結婚後10年以上経っても単身での1回のみで、親が日本に会いに行った事は一度もないと言う。
なお周りにいる日本からの駐在員は、日本出張を除き、ほとんど日本に帰らず、呼寄せもせず、親と会わない人が大半だ。忙しいし、いずれ日本に帰るから必要ない、と言う人が多く、もしそういう時間があれば日本以外の、駐在場所から近いどこかへ旅行している、と言う。
どうも私の周りの永住者は、親と会う機会は大変少ない人が多い。子供がいなかったり、移住後すぐの場合、帰省は新鮮味もあり楽しいかもしれないが、子供が大きくなれば飛行機代はかなりかさむ。自分が仕事をしていれば、単身で日本へ里帰りしても何週間も日本にはなかなか滞在できない環境になりかねない。日本の親が永住先に来れないのであれば、移住後親と会う頻度は減っていくものだろうか。
あるサイトでは、日本に帰省、里帰りする海外永住の日本人はおよそ4割程度だと言う。そうすれば、私が母と年に1度会うようにしているのは、かなり稀なほうなのだろうか。ハワイや中国、韓国に住むのと違い、ニューヨークへは金も時間も結構かかる。だが母は80歳を越えても単身でアメリカに会いに来てくれる。父を亡くしより寂しいのだろうか、遠くても息子家族に会いに行くのは毎年の楽しみになっているようで、特に観光地に行くわけでもなく、子供と孫に囲まれた生活が幸せなのだ、と言ってくれる。
つまり海外永住者の多くは、帰省したいもしくは親と会いたいと思っていても、金銭面や仕事の都合、子供がいるなどの家庭状況で、なかなか親と会っていない状況のようだ。国際結婚し海外永住する人のある種宿命のようにも取れなくもなく、なんとなく寂しい気がする。中には永住先年数が日本で暮らした年数を上回り、ここが自分の故郷、と発想を変える人もいるようだ。

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年を取って新しい音楽を聴くということ

年を取ると流行っている音楽を聴かなくなりがちだ。若い頃は、音楽を聴くことが生活の大きな部分を占めていて、様々なアルバムを買い、流行の曲を次から次へと聴いていた。周りの友人達と知らなかった音楽を教えあい、相当聴いた。
だが今となっては、聴くのは若い頃聴いたそれらの曲がメインである。そういう曲は、あの頃にタイムスリップできるような気がして、当時の自分やしていた事や当時の恋人など、その曲を初めて聴いた頃の風景や記憶も甦る。曲それ自体を楽しむだけでなく、そうしたプラスアルファの特典がついているようで、それはそれで心地よい感覚はある。
だがいずれ飽きてくる。33歳をピークに人は新しい音楽を聴かなくなるなどという研究が発表されたくらいである。曲が増えないから、自分のプレイリストは知り尽くしたいつもの昔の曲で、新鮮味がない。かといって流行りの曲は、多くは恋愛を歌った10代20代向けが多いので、今の自分と立場や価値観が違うし、昔のようにその曲と今の自分がシンクロするような境遇でもなくなった。陳腐な低レベルな曲がよく売れるものだ、と思ってしまうこともあり、ああ自分も変わったな、と思う反面、どこか寂しい。昔のように歌をどんどん知りたい気はあるからだ。
昔よく聴いた歌手がまだ現役で曲を出しているのなら、自分を同じく年を重ねただけ、曲も今の自分に割ととっつきやすいと思うが、なかなかそうも行かない。私のようにアメリカに永住してしまっていては、日本の曲を知る情報減が更に少なくなりかねない。また妻と私の音楽の嗜好は全く違うので、妻を情報源の一つとする手段はない。
たまにおおっこれはすごい!、と思うような曲や歌手に場当たり的に遭遇することはある。それは宝探しのようで、昔ならCDショップですぐ気に入ったり興味のあるCDを見つけられたが、今はその確率はかなり低くなった。
一方で若い頃あまり聴かなかったクラシックやジャズをよく聴くようになった。車に乗る時もクラシックFMをよく聴いている。なぜか心地よく入ってくるからだ。だが歌はたいていないので位置づけはBGMに近く、やはり心に響く歌ものが聴きたい。以前80歳を越える妻の祖父の家に行った際、1940s BestというCDが置いてあり、なんとなく分かる気がした。そうなりたくはないが、将来私もそうなりそうな気がして、想像するとあまり楽しくはない。

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びっくりしたアメリカ人のリアクションが疲れる件

びっくりした時、どんな声をあげますか?強烈にびっくりした時は悲鳴になるかもしれないが、多くの日本人は「あっ!」とか「うわっ!」とか「うそっ!」などと声をあげるかと思う。一方アメリカ人は「Oh my God!」とか「Holy Cow!」とか「Shit!」などいろいろあるが、私が個人的にいらいらする、アメリカ人がびっくりした時にするリアクションがある。
それは、口で一気に息を吸い、「ハァッ!」、と呼吸音と声と半々のようなリアクションだ。完全な声ではないので、文字で「ハァッ!」、と書くとやや変だが、この一気に息を吸ってのリアクションはいらいらする。身近でも、妻、子供、親族全員がこのリアクションを取る。私は日本で青年まで育ったせいか分からないが、この「ハァッ!」を聞くと(強盗が侵入したとか毒蛇に噛まれたとか)、声に出せないほどの相当な危機や危険が発生したかのように、発した人のほうへ瞬時に振り向いてしまう。発した人が隣の部屋などにいる時、助けようと超特急で駆けつけてしまう。
だが実際彼らが発する「ハァッ!」は、ほとんどが大したことではない。水をこぼしたとか、携帯電話の充電がなくなっていたとか、そんなことでいちいち「ハァッ!」と言うなと思う。私にとって「ハァッ!」は声にも出せないような生命の危機に瀕するような時のもので、一日に何回も聞くと、正直疲れる。
それは妻と付き合い始めた頃からで、連発する彼女にふつふつと軽いジャブを受けるかのように実は長い間いらいらしていたが、彼らが頻繁に「ハァッ!」とびっくりする事、また未だに私がそれにつられ彼ら以上にびっくりし、大したことでなかったと分かった時の脱力感は、結構疲れる。
彼らが予期していなかったような話、例えばネズミ捕り器にねずみがかかって死んでた、とか来月旅行にでも行こうか、等と私が言えば「ハァッ!」、とリアクションしてきて、しばしば話をした私のほうがそれを聞いて逆にびっくりする。アメリカ人はリアクション好きなのか、オーバーリアクションなのか、日本人が割りと質素なのか、あれには未だに慣れない。
大量のクリスマスプレゼントをもらい、いちいち彼らが「ハァッ!」、と息を飲んでびっくりするのは、事前に想定の範囲内であるので、いつものようにつられて彼ら以上にびっくりはしないが、それでも心のどこかで「ハァッ!」に反応し心拍数が若干上がっているような気はする。

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